にほへし女の、福岡に恋した1か月

 へし切長谷部の展示が終わった。あっという間の1ヶ月で、昨日という日が終わっていくのがとてもさみしかった。学芸員さんや他の展示物もそういう気持ちなんだろうか。恋をしていた1ヶ月が終わっていくこのさみしさを残しておきたいので文章を書きます。

 

 はじまりは、一つのつぶやきから。

  

 

  ひょ、ひょえ〜〜〜!!このツイートがTLをかけめぐった瞬間を今でも覚えている。私たちは知っていた、1月にへし切長谷部が福岡市博物館に展示されることを。日本号は常設展示なので、この1ヶ月は長谷部と日本号が並列展示❤️と勝手にわくわくしていた。博物館のひとに迷惑をかけないように、静かに、こっそり、見ますから……!!そう心に決めていた矢先の、このリーフレット!!おたくなので、「日本号の文字色がグレー」なのにも萌えたし*1、「へし切長谷部の文字色がピンク」なのにも萌えたし*2、日本号が左でへし切長谷部が右なのにも萌えたし*3、もうなんでも萌えた。

 

 刀剣乱舞というゲームが、全国のいろんな博物館や寺社仏閣と公式コラボをしているのはもちろん知っていたけど、福岡市博物館は去年も何もなかったし、それでも日本号やへし切長谷部が好きな子たちは福岡の地に向かったし、学芸員さんも「急に若い女の子が見に来ると思ったらそんなゲームが流行っていたのね〜」と知ってくれていたので、ほどよい距離感でいいじゃん❤️と思っていた。

 

fcmuseum.blogspot.jp

 (これは去年の福博さんのブログ。なぜ急に若い女の子が来るようになったのかを調べてくれていて、コミケに出展することまで検討してくださっていたらしい。その上で、「毎年来てくれているおじいちゃんたちとの兼ね合いもあるし……」とか何やら真剣にいろいろ検討してくれていたらしく、当時の私はその気持ちだけでものすごく嬉しかった。サブカルチャーを経由して歴史に興味を持つ若年層のことをよく思わない人もいる中で、「大河ドラマに続いてこのような幸運が訪れることは今世紀中にはもう無いだろうから今が踏ん張りどきではないか」とか、真剣に考えてくれていただけで嬉しい。)

 

  閃華の刻(刀剣乱舞オンリー)が福岡ドームで開催される1週間前に博物館に行った時のこと。イベントの存在を知っていた学芸員さん……優しい世界……。

 

 そんなこんなで、今年も並列展示じゃあ〜〜!と燃えていた12月。とんでもねえ爆弾がTLを焼き散らした!!!!!!

 

 

 

 

  う、うそでしょ〜〜〜!?!?!?!?!?

 ビビりすぎて感情失ったわ!!!!!!

 だってだってだって……コラボするって絶対もっと昔に決まってたじゃん、でもこの日まで公式にコラボするの黙っててあのリーフレットだけチラ見せして「今年もおまたせ❤️」とかだけ出して……私、こんな爆弾用意されてるって知らなくて「日本号とへし切長谷部の文字の色」に萌えてたんですけど!!!!!!!文字の色に萌えるって何!?!?!?!?!?!

 

 おたくが錯乱しているうちに年は明けるのでした……。そして我々はご実家の本気を目の当たりにすることになります。

 

 

 

 

 

 

 いったい何がおきているのか……

 たしかこの日私は仕事で、TLに流れてくる情報がパンチ強すぎて一回トイレに避難したことを覚えている。だってスマホ見ながらによによしちゃうんだもん!!!今すぐ会社を燃やして福岡市博物館に走ろうかと思った。

 

 

 

   感動のあまり語彙を失うオタクーー!!

 

  

 自分を納得させようとしている様子がうかがえます。

 

  

 このへんはもうあんまり記憶がありません。

 

https://jirosuzuki-renraku.tumblr.com/post/155431892837/福岡市博物館さんhttpstwittercomfukuokacmuseumで刀剣乱舞コ

jirosuzuki-renraku.tumblr.com

 

 追い討ちをかけるように鈴木先生(日本号のキャラデザを担当した先生)がこのような絵を公開してくださり、私の精神は爆発四散しました。アディオス……

 

 そんなこんなで、私も行ってまいりました!!

 

  

 これはマジで悲しかった。

 

 

 

 

 

 萌えているようすがうかがえます。

 

 死ぬほど見た立ち絵……むしろ2年間ほぼこのポーズとこの表情しか見てないのに……等身大で用意されるとなぜぐっとくるのだろうか……

 Twitterで散々「日本号でかい」「身長差ヤバイ」と言われていたけど、実際に見てみると本当に日本号はデカかったし、2人の身長差はヤバかった。語彙力は死んだ。

 

 私は(とうらぶのキャラクターとしての)日本号がすきなんですけど、生でみるとやっぱりかっこよくて、パネルと描き下ろし絵もかっこよかったし、そして本物の大身鎗日本号もそれはそれは大きくて、華やかで、実戦に使われた凄みもあって、ただただうっとりと眺めた。これを昔の人は使ったのかあ。どういうふうに使うのだろう。実はいまいち知らない。刺すのか、ふりおろすのか。「刺して振り上げて叩きつける」という説も聞いたことがある。ひょええ〜〜昔はこれで人を殺していたのか。戦っていたのか。すごいな。

 横に並ぶ国宝・へし切長谷部は、市民の寄付によって新調された展示台の上に品よく飾られていた。織田信長黒田官兵衛に渡した刀。あの織田信長が普段使いしていた刀が今福岡にあるってすごいことだ。もちろん織田信長が使っていたから有名なのだし、国宝なんだけど……それからは黒田の守り刀として福岡に住み続けていた日本刀。ゲームの中では筑前のことなんてすっかり忘れましたみたいな態度をとっていて、それを日本号に詰め寄られて、黒田家のことも大切に思っていると話してくれたへし切長谷部。2017年になって、わたしたち審神者がこうしてあなたたちに会いに来ることをどう思っていますか?と思った。多くは望まないけど、今のくらしもそう悪くないなと思ってくれているといい。ご実家に大切にされて、ここちよく暮らしてくれているといい。昔馴染みの、酒呑みの大身鎗の隣で。

 

 などとおセンチなことを考えつつも、日本号のパネルと記念写真を撮ったときの自分が完全に雌の顔をしていて引きました。

 

f:id:Augnet:20170206215645j:plain

f:id:Augnet:20170206215710j:plain

 もう思い残すことはない……

 

 隣に並ぶとちょうど胸のあたりで、目もあわせられず、あまりのかっこよさと色気にくらくらした。彼は公式に195cmということになっているのですが、195cmのひとってこんなに大きいんですね〜〜〜あ〜〜〜かっこいい……三の丸スクエアでは何もせず30分くらいただただ日本号さんのパネルをながめてうっとりしていた。だってかっこいいんだもん……。そりゃ長谷部もこんなかっこいい男にせまられたら本音をポロリともらしちゃうよな……などと想いを馳せる。

 

 こうしてお祭りのような1ヶ月は過ぎ去る……かに見えた。

 が、福岡市博物館は最後までオタク殺しに余念がなかった!!!!!

 

 

 

 

 

  ありがとうけんらんぶ

 ありがとう福岡市博物館〜〜〜!!!!!

 

 さ、最後にこんなのってありですか!?!?!?!?いろはにほへし帰りの審神者を的確に狙い撃つこの華麗さよ……!!!最終日のためだけにこのカード(10種類あるみたいです)を作って用意してくれていたのかと思うと泣ける……。

 

 

 

fcmuseum.blogspot.jp

 

 うう……福博さんのブログ読んでるだけで泣きそうだ。

 とにかくこの1ヶ月、福岡市博物館学芸員さん、スタッフさんが年末年始返上で準備してくださったことや、とにかく日本号とへし切長谷部を大切に思っていることや、刀剣乱舞とのコラボを歓迎して一生懸命やってくださったこと、全部全部本当に嬉しかった。福博の学芸員さんって本当にリベラルで大好き。

 

 

 

 

 

 

 

 大好きしか言ってねえ……!!

 

 私は福岡で育ったのですが、福岡って本当に歴史的な観光地がなくて、黒田家も大河ドラマがあるまではマイナーな武将で、焼けてしまった福岡城を再建することもしていなかったので、歴史豊かな町かといわれると正直そうでもないのです。大人になって、他の都道府県にはお城が残っていると知って本当にびっくりした!!福岡城は城壁がほんのちょびっとしか残っていない。日本史を好きになって、大河ドラマを好きになって、そして刀剣乱舞を好きになって、その事実をたまに惜しいなと思うことがありました。他の都道府県には超有名な武将ゆかりの地があったり、お城や城下町や寺社仏閣が残っているの、うらやましかった。

 でも、刀剣乱舞をすきになって、今や60振りもいるキャラクターの中で、たまたまだけど、「一番好き」と思うキャラクター2振りが2振りとも福岡にいて、しかも実際に見ることができて、しかもしかも隣同士に並んでいる……!!思うと本当にラッキーだし恵まれている。遠いところからたくさんの人たちがこの2振りに会うために福岡に足を運んだのを知っているので、この2振りは本当に偉大だなとしみじみ思った。消失してしまった刀もたくさんいる中で、彼らはこうして歴史の荒波をくぐりぬけて、たくさんの人たちの愛情によって守られて、かつて生きた人たちの栄光を伝える役目を今でもちゃんと果たしている。

 すごいねえ。

 楽しい日々だったなあ。

 

 へし切長谷部くん、ひと月のお勤めお疲れさまでした。ゆっくり休んで、また来年会いましょう。

 日本号さんは引き続き、福岡の”顔”のお役目を。誰を隣に並べても、ああ唯一無二の槍なんだなあと思わせてくれる、華やかで勇猛なところが大好きです。

 

 刀剣乱舞をすきになってよかった!!!

 夢のような1ヶ月をありがとうございました。

 フィンランド・デザイン展見にいきがてら、日光一文字も見に行きます。

 

 

*1:ゲーム『刀剣乱舞』の中で彼のイメージカラーはグレーなのだ

*2:長谷部のゲーム中でもイメージカラーは紫なのだが理性を失ったおたくの目には恋するピンク色に見えたのでそれはそれで良かった

*3:言わずもながですが私は日本号×へし切長谷部のカップリングが好きなおたくなのですが、博物館の方はただ単に並列順に載せただけだということは重々承知です